MSGと片頭痛

MSG(グルタミン酸ナトリウム)と頭痛の因果関係は証明されていません。2016年のシステマティックレビューでは、MSGを食事とともにとった場合に一貫した影響は認められませんでした。有意な結果の多くは飲み物やスープに溶かしたMSGによるもので、その場合は味によって盲検が破られることがあります。

このページの内容
  1. 研究の結果
  2. 出典による違い
  3. ダイアリーで確かめる方法

研究の結果

主な出典は、ヒトを対象とした13件の研究(10論文)のシステマティックレビューです。このレビューが扱ったのは頭痛であり、片頭痛発作に限ったものではありません(Obayashi 2016)。

条件 MSGの用量 研究数 結果
食事あり 1.5〜3.15 g 6 有意差なし。例外は一研究の女性(MSGの日に頭痛が6人、プラセボの日に1人)で、盲検化に疑問あり
食事なし、飲み物またはスープ 1.25〜12 g 7 4件で有意差あり、3件で有意差なし。男性99人の一研究では、どの用量でも差なし

著者らは、ヒトでの結果は一貫しておらず、因果関係は証明されていないと述べています。一貫しない主な理由として、盲検化の不備を挙げています。飲み物中の濃度が約2%を超えるとMSGの味を感じ取れるため、参加者が何を摂取したかわかる可能性があります。

このレビューには利益相反の申告があります。筆頭著者はMSG製造企業に勤務しており、掲載料は国際グルタミン酸技術委員会が支払いました。

出典による違い

  • 2016年のナラティブレビュー:液体に溶かしたMSGを、カフェイン離脱と並んで、食事に関する誘発所見のうち最も強いものの一つに位置づけました(Martin 2016)。これは上記の内容と矛盾しません。どちらも液体にシグナルがあるとしており、その評価の重みが異なります。
  • 米国FDA:添加されたMSGを一般に安全と認められる物質としています。頭痛の報告を受けていますが、MSGが原因であると確認できたことはなく、自分は敏感だと申告した人を対象とした対照試験でも反応を一貫して誘発できなかったとしています。FDAが引用するFASEBの報告書は、敏感な一部の人に、食事なしで3 g以上をとった後に軽度で短時間の症状がみられるとしました。FDAは、食事なしで一度に3 gを超えて摂取することは考えにくいとしています。
  • ICHD-3:分類の概要に、MSGの独立したコードはありません。
  • 横断データ:2020年のシステマティックレビューに含まれる一研究では、チョコレートとMSGの多い食品が片頭痛と最も多く関連づけられましたが、レビューは全体のエビデンスを低いと評価しました(Hindiyeh 2020)。
  • The Migraine Trust:MSGが大多数の人にとって誘因である可能性が高いとする十分なエビデンスはないとしています。

これらの出典では、機序は確立されていません。

ダイアリーで確かめる方法

ダイアリーはこの場合、弱い検証方法です。始める前に、その理由を知っておいてください。

  1. 確認できるものを記録します。米国では、添加されたMSGは原材料表示にグルタミン酸ナトリウムと記載しなければなりません。遊離グルタミン酸を天然に含む食品や外食では数値がわからないことがあるため、「あり」または「不明」と記録するのが正確です。
  2. 食事全体を記録します。外食では、アルコール、食事の時刻、その夜の睡眠も変わることがあります。それぞれ別の記録が必要です。
  3. 形態を書き留めます。研究のシグナルがあったのは、混合食ではなく、食事なしでとった飲み物とスープでした。
  4. 発作がなかった食事を数えます。
  5. 限界を受け入れます。予想が結果に影響しうるため研究には盲検化が必要でしたが、ダイアリーは盲検化できません。

記録がMSGを示している場合は、食事を制限する前に医師に相談してください。一般的な方法については、疑わしい誘因を確かめる方法をご覧ください。

出典

  1. Obayashi Y, Nagamura Y. Does monosodium glutamate really cause headache? A systematic review of human studies. J Headache Pain 2016;17:54
  2. Martin VT, Vij B. Diet and headache: part 1. Headache 2016 (abstract)
  3. US Food and Drug Administration: Questions and answers on monosodium glutamate (MSG)
  4. ICHD-3, classification outline
  5. Hindiyeh NA et al. The role of diet and nutrition in migraine triggers and treatment: a systematic literature review. Headache 2020;60(7):1300-1316
  6. The Migraine Trust: Migraine and diet

2026年11月2日にこれらの出典と照合しました。 このページの執筆・確認方法