片頭痛の誘因

片頭痛の誘因とは、発作を引き起こすように見えるものです。ある大規模なクリニックのサンプルでは、患者の75.9%が、少なくとも時々は発作に誘因があると答えました。ただし、このエビデンスの大部分は自己申告であり、報告された誘因の一部は、すでに始まっている発作の初期症状である可能性があります。

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このページの内容
  1. 誘因とは
  2. 誘因か初期症状か
  3. エビデンスが弱い理由
  4. 誘因は避けるべきか
  5. 疑わしい誘因を確かめる方法
  6. 個別の誘因
  7. 受診の目安

誘因とは

The Migraine Trustは、誘因を、発作を引き起こしたり悪化させたりするように見えるものと説明しています。一つの要因が単独で大きく影響することはまれです。いくつかの要因が重なると閾値を超えることがあり、その閾値はホルモンの変化や病気によって変動することがあります。明らかな誘因がない人も多くいます。

頭痛クリニックの患者1,207人に個々の要因について尋ねたところ、最も多く挙げられたのはストレス(79.7%)、女性のホルモン(65.1%)、食事をとらないこと(57.3%)でした(Kelman 2007)。これらは後ろ向きの報告であり、曝露を測定したものではありません。

誘因か初期症状か

発作は痛みより前に始まります。ICHD-3は、頭痛の数時間から数日前にみられる予兆期を記載しており、特定の食べ物への強い欲求、あくび、疲労感、首のこりなどの症状を挙げています。The Migraine Trustは、光、音、においへの過敏も挙げています。

これにより、見かけ上の誘因が生じることがあります。予兆期にチョコレートが欲しくなって食べ、数時間後に頭痛が起きると、チョコレートが原因のように見えます。American Migraine Foundationは、このような発作はいずれにしても起きていたとしています。

光とにおいにも同じパターンがみられます。ハンブルクのクリニックでは、片頭痛のある人のうち389人(1,010人中)が予兆症状を報告しました。予兆期に光過敏があった人は、強い光やちらつく光を誘因として挙げることが有意に多く、予兆期ににおいへの過敏があった人は、においを誘因として挙げることが多くなっていました(Schulte 2015)。データは後ろ向きのもので、専門クリニックで得られたものです。

エビデンスが弱い理由

  • 自己申告:食事と片頭痛に関するシステマティックレビューは、全体のエビデンスを低いと評価しました。食事パターンと誘因に関する研究のうち68%は横断研究または調査であり、食事を誘因として検証したランダム化試験は一件もありませんでした(Hindiyeh 2020)。
  • 誘発が再現されないことがある:前兆のある片頭痛の27人を、本人が報告した誘因に曝露させたところ、前兆のある発作が起きたのは3人、前兆のない発作が起きたのは3人でした(Hougaard 2013)。
  • 要因の重なり:毎日追跡した女性9人では、ストレスやホルモンを考慮したうえで、さらに一つの要因を比較できるほど条件の似た日は、月に約1.5〜2回でした(Houle 2013)。
  • 個人差:自然な状況での誘因は実験的な誘因より予測しにくく、人によって異なります(Marmura 2018)。

誘因は避けるべきか

回避を支持する根拠は、一般に考えられているほど強くありません。片頭痛または緊張型頭痛のある成人127人の試験では、すべての誘因を避けるよう助言した場合とウェイトリストの間に有意差はありませんでした。選んだ誘因に段階的に曝露する構造化プログラムのほうが良い結果でした(Martin 2014)。The Migraine Trustは、特定の食品が影響していると確信できる場合を除き、食品を除去することを勧めていません。制限のある食事については、医師に相談してください。

疑わしい誘因を確かめる方法

  1. その日のうちに記録します。NICEは、考えられる誘因も含めて、少なくとも8週間の頭痛ダイアリーを検討するよう勧めています。印刷用ダイアリーを利用できます。
  2. 一度に一つだけ確かめます。American Migraine Foundationは、食品を一つずつ確かめるよう勧めています。
  3. 自分自身と比較します。曝露があった日の後の発作と、曝露がなかった日の後の発作を数えます。曝露があって発作がなかった日も数に入れます。
  4. 初期症状の時刻を記録します。食べ物への欲求や光過敏が曝露より前にあった場合、その曝露は結果である可能性があります。
  5. 多くの発作が必要になると考えてください。ここで挙げた出典は回数を定めていません。三、四回の発作では、一度の偶然で結果が変わることがあります。

個別の誘因

受診の目安

NHSは、発作が悪化している場合や、週に一回より多く起きる場合には、かかりつけ医を受診するよう勧めています。突然の激しい頭痛や新たな神経症状には、緊急の治療が必要です。

出典

  1. Kelman L. The triggers or precipitants of the acute migraine attack. Cephalalgia 2007;27(5):394-402
  2. ICHD-3, 1. Migraine (introduction)
  3. Schulte LH, Jürgens TP, May A. Photo-, osmo- and phonophobia in the premonitory phase of migraine: mistaking symptoms for triggers? J Headache Pain 2015;16:14
  4. Hindiyeh NA et al. The role of diet and nutrition in migraine triggers and treatment: a systematic literature review. Headache 2020;60(7):1300-1316
  5. Hougaard A et al. Provocation of migraine with aura using natural trigger factors. J Headache Pain 2013;14(Suppl 1):P110 (conference abstract)
  6. Houle TT, Turner DP. Natural experimentation is a challenging method for identifying headache triggers. Headache 2013;53(4) (abstract, PMID 23534852)
  7. Marmura MJ. Triggers, protectors, and predictors in episodic migraine. Curr Pain Headache Rep 2018;22(12):81
  8. Martin PR et al. Behavioral management of the triggers of recurrent headache: a randomized controlled trial. Behav Res Ther 2014;61:1-11
  9. NICE CG150. Headaches in over 12s: diagnosis and management. Recommendations
  10. The Migraine Trust: Migraine attack triggers
  11. The Migraine Trust: Stages of a migraine attack
  12. American Migraine Foundation: The science behind migraine triggers (2023)
  13. American Migraine Foundation: Diet and migraine
  14. NHS: Migraine

2026年11月2日にこれらの出典と照合しました。 このページの執筆・確認方法